現実逃避−グルメ編その2

さて、夜の名古屋の街に繰り出すも、ますます寒風吹きすさび耳も鼻もキンキンに冷たくなるのだった。


ツレの記憶とガイドブックの地図、ケイタイの検索などにより徒歩で鳥銀本店に向かう。
途中で怪しいラーメン屋の看板を発見!
h-designさん、○○モ○○マ麺ではありませんよ
正しくは○○モ○○麺です。
彼の地にゆかりのある友人がいるので、急いで写メで通報でする。
その形態やお味は気になるも、我らの真の目的は名古屋コーチンなので足早に
通り過ぎる。
気になる方は こちら


寒さで身体がコワバリかけた頃、目的の店に到着。
なんというか、名古屋らしい店構え。
ここでいう名古屋らしいと言うのは、ヨソモノがイメージする「名古屋らしい」ということ。
満席だろうか?しかし連休の最終日だから、ヒトヤマ越してるのでは?
ドキドキしつつ入店。満席だったら、代替案はないんだよ〜
「いらっしゃいませ!」と若い女性がすぐに応対してくれた。
目にはいるのは馬蹄形をしたこじんまりとしたカウンター
丁度カウンターの奥まったところ2席があいたところらしい。
ラッキー!
コートを預け、座らせてもらっただけで舞い上がるほどうれしくなった。
って、ちょっと大げさか
そんなんだったら予約入れとけ、とか言われるかもしれないけど
なんとなく予約まで入れて準備万端しとくのもヤボなような気もし
フラッと入ってみました、みたくいきたいわけね
席はカウンターの奥の端っこで、しかも壁際
それがかえって我々おくゆかしい夫婦には落ち着く
端っこから店内を見渡せるのもよい。
カウンターはほとんど二人連れのようである。
カウンターの他にも座席はあるようだが、私の座ったところからは見えなくなっていた。


7時近くだったけど、休日ということで早くからやり始めてたお客さんたちは次々とお勘定をして出て行く。
そしてまた次々と新たなお客さんが入ってくる。
電話での問合せも度々入っているようだ。
カウンターの内側で眼光を光らせつつ調理をしている店長(名札によれば)が
接客係に控えめな声で指示を出している。
「あちらにお通しして」とか「喜楽にご案内して」とか
店内の席を遊ばせることなくフルに使い、さらに「喜楽」とは通り1本はさんだすぐ近くにある支店なのだ。そちらの店の空き具合まで把握している様子。
おまけに「喜楽行ったら、お餅もらってきて」とか足りなくなった材料まで調達させている。
そして手は休めることなくモクモクと何らや調理している様子
カウンターの内側は当然のことながらせまく、3〜4人の男性が無駄な動きを全て排除しミチミチになって立ち働いている。
ふぅん、調理人さんもなかなか大変ですね。


我々はメニューを見分し、コース料理ではなくあれこれと興味をそそるものを注文。
メニューの当店お勧めの料理には☆がついていたのでそれを参考に
私は是非とも朝引きの鶏の刺身が食べたかったし☆がついてたのでお刺身の5種盛りを
あと、となりの客もつついているらしいコーチン鍋も
汁は醤油、味噌から選べるのだけど、ここは名古屋。やはり味噌仕立てで
串焼きもいくつか頼み、やれやれとビールでノドを潤す。
全く、やれやれですよ
時計をみるといつもならバタバタとマーケットで食糧を調達していそうな時間。ふと気になり、息子にメールしてみると娘と二人でケンタッキーフライドチキンを食べようとしているところだった。 (^^;
あっちはあっち、こっちはこっち、ということで運ばれてきた刺身をいただく。
あっさりと山葵醤油で食べるようになったものの他に、黄身酢和えやナムルやタルタルステーキのように調味されたものなど、趣向をかえて5種類のものが盛り合わされていて、それぞれに美味しい。
臭みもなくパサつきもなく、水っぽくもなくゴムのようでもなく(いかに、普段まずい鶏肉を食べているのかわかるような表現のオンパレード)
我々は普段新鮮でおいしい魚が食べられるところに住んでいるので、ヨソへ行って魚の刺身など食べる気はしない。
でも、この鶏はおいしい!近頃は鳥インフルエンザとか、いろいろイヤなこともあり、こういう専門店へ来ないとこんなおいしい刺身など食べるのは無理なんだろう。


そして小ぶりの土鍋ででてきた鍋。
だいたいウチで鍋と言えば、鴨鍋か常夜鍋かヤミ鍋(?)
なんとなく鶏というのは、安くあげたい時に使う、みたいなイメージがあり、美味しいと感じることはないので、使わない。
ようするに鶏肉の地位が低いというか、安くてまずい鶏肉しか売っていないのだ。というか、そういう店でしか買い物しないのだ。高くておいしい鶏肉もどこかに売っているのかもしれない。
味噌仕立ていうのもウチではしないので、どれどれどんな感じ〜と興味シンシン
ウチの味噌汁で使っているのとはあきらかに違う味噌がはいっているようで、色も濃くこっくりとした感じ。これこれ、このお汁が大変に美味しかったのです。色が濃いので味も濃いのかと思っていたけど、そうではなくまろやかで奥深い感じ。鶏肉そのものよりこのお汁や味のしみた他の具材がおいしかった。ポトンとひとつ入っていた卵は絶妙な半熟具合で黄身がねっとりとおいしい。卵の黄身って、熱を加えると味が凝縮されて濃厚になるような気がする。ツレはコレステロール対策で普段は卵黄は敬遠しているのだが、ムリやんこ一口食べさせてみた。
「う”…うまい」思わず白目になっていた。
お餅がひとつ入っていたけど、これなら名古屋名物味噌煮込みうどんもきっとおいしいに違いない!(注:鳥銀にはありません)


串焼きもあたりまえのようにおいしく、我々はビールから日本酒に切り替え大変に満足のいく夜となった。
料金の方は、二人であれこれ勝手に料理を頼み(途中、合いの手にサラダや茄子焼なども)泥酔しない程度にお酒をいただき、1万ちょっとだったでしょうか。私が払ったわけではないので、よくおぼえてないんだけど
ふぅ〜、やっとこれでグルメ報告ぽくなったかな?


名古屋コーチンはこちら、鳥銀本店
http://www.torigin.co.jp/index.html
きれいな女将さんは、本店にはいらっしゃらなかったようです。
残念〜  って、わたしゃオヤジか…

ふたつめの試み

平日に休んでみた。


って、私だけですが。
成人の日の前後、世の中には3連休の方が多かったようですが、パン屋は土曜日は営業でした。
でもって、私のツレアイは日月火とちょっと世間とずれた日程で3連休となったので、私もあわせて火曜日を休みとさせていただきました。


今まで、フォーラムの参加や親戚の結婚式参列など、営業日にのっぴきならない用事が入ったときはなんと、お店を臨時休業していたのでありました。すみません。
でも、これではイカン!ということで、試しに休んでみることに。


休むにあたり、いろいろとダンドリが
まず、毎週月木の2回ある材料の入荷。
土曜発注が月曜入荷で火曜発注が木曜入荷
これはウチのパン屋の生命線というべき入荷で、在庫と生産計画とをつきあわせ適正数量を発注しなければいけない、マコトに神経を使う作業である。
欠品が発生してもいけないし、かといってむやみに余分に発注すると保管場所がなくなってしまう。
今までは、キチンと毎週2回発注をかけ、つまり入荷日が祭日であっても荷受だけのためにお店で待機していたのであった。
しかし、ただせさえオフの日が少ない我ら。
なんとか生産計画を緻密にして発注数量をしぼり、休業日の荷受作業は回避できないか…と、以前から思案していたのであります。
で、年末年始。2週間の生産計画をたて、厳密に在庫調整をして最小限の発注に押さえてみた。週5日の営業なら、なんとか週イチの入荷でも店はまわせるということがわかった。(綱渡りか!)
で今回、またまた生産計画を厳密にたて、成人の日の入荷は無しとして、火曜の発注作業を前倒しで土曜日にやってしまった。


ふぅ〜ややこしい。
この他にも、火曜の営業日に休むとなるといろいろとやっておくことが
火曜納品の納品書の準備やら、水曜の仕込みの計画書やら、その他いろいろ私が不在でもスタッフが困らないようにコマゴマと
火曜の作業内容を頭の中でシミュレーションし、あぁだこぉだと


結局、土曜日は2時で閉店したものの、その後休むダンドリをいろいろとしていたら、ゲッソリと疲れ果ててしまった。
休むと言っても、火曜日は夕方までには小旅行から帰って来る予定なのでレジだけは締めに来るつもり。
じゃないと、留守を預かるM本さんもゲッソリする。
とはいえ、道中雪道だから予定どおり帰って来れない恐れもある…
そのときのダンドリもしておかないと。
う”〜


いっそ休まない方がラクなんではないか?と思うくらいのダンドリをしてやっとこさ帰ったのはもう夜7時をまわっていた。しくしく
あとは、スタッフ3名とメイト3名、実習生1名に全てをまかせるのみ。

土曜時短

今年に入って、ふたつのことを試みた。


一つ目はパン屋の土曜営業時間の短縮。
パン屋は細い路地の奥にあり、自動車では通り抜けることができない。
なので、近所の住人と用事のある人しか通らない。
通りすがりに「あっ!パン屋がある!」とか言ってふらっとお客さんが来るような店ではない。
平日は配達用のパンを焼いたり袋詰めしたり、けっこう忙しい。
店頭の方も近くの病院や花屋さんで働いている人たちがお昼に買いに来られたりとそこそこ売上がある。
しかし、土曜日は保育園2箇所以外は配達がない。平日のお昼によく買いにきてくださるお客さんたちも激減する。


売上があまりないのであれば、店番をしながら事務仕事を片付ける、ということができないことではないこともない…れれっ?
いや、ハッキリいってできない。
店を開けておくということは、いつお客さんが来られるかわからない、ということ。来客の他に電話もある。一人だけ出勤してくるメイトへの仕事の指示もある。パンを焼いたり、片付けたり、月曜の準備をしたり、と一通りの作業もある。
時間は寸断され集中力も保たれず、落ち着いて別の仕事にとりかかるということは無理なことなのだ。
また、スタッフの休みをなかなか確保できないということもあり、いっそ土曜日は休業にしようか!とも思ってみた。
しかし、売上は少ないとはいえ土曜日になると必ず買いにこられるお客さんもいらっしゃる。それにいったん土曜日を休みにしてしまうとそれが定着してしまい、2度と土曜日の営業は再開できないような気がする。


とかとか、いろいろ思案の結果…
折衷案で閉店時間を午後2時に繰り上げることにした。
午後2時閉店。はやっ!
しかしねぁ、あぁた、お昼を過ぎるとほとんどお客さんはこないんですよ、あぁた
年末の最後の土曜日にお店は休業し入口に鍵をかけ、実際は内部でいろいろ片付け仕事をしていたときに、ナニモノにもじゃまされずとても仕事がはかどり、ストレスも感じない…ということを体感した。
普段の土曜営業の午後だと、そうはいかない。
お客さんが来る、来ないに関わらず、すっぱりと閉店しているのと開店しているのとでは、全く違うのだ。開店中であれば、常にお客さんに対してアンテナを立てておく必要がある。商売をしていながらそれを負担に感じるというのもヘンな話なのだけど、わたしゃ〜他にもするべきことがあるんだよぉ〜


で、今年に入り土曜日が2回巡ってきた。
2回目の昨日は2時に店を閉め、売れ残っているパンをそのまま駅地下のコロッケ屋へ移し全品100円とした。
店の中は片付いてなくワヤワヤのまま、とりあえず鍵だけかけて移動。
す、すばらしい。昨年までは一人で店番していると、店を空けられないのでちょっとした雑用にもでかけられなかった。
すばらしい開放感であった。
いくつか雑用をすませ、店に戻りお金の勘定や翌週の準備をいくつかし、最終的にはいつもと変わらず6時半までいたのだけど、去年までとは疲労感が全く違うのであった。


いいなぁ〜
しばらくこれでいこう。
この週は月火と休みをいただいたせいもあり、週末の疲労感があまりない。
土曜の朝など自宅に掃除機をかける余裕さえあった!
なんとか時間をやりくりして、事務処理時間とオフの時間を捻出しなければ

現実逃避−グルメ編 その1

名古屋は去年の春に姪の結婚式で行ったのが初めて
前回は目的が結婚式だったので、名古屋名物を食す機会は逃してしまい、今回は2回目と言ってもほとんど初めてのようなもの


さてどこの店へ行き、何を食すか?
これはツレの職場に出入りしている名古屋の業者さんからの情報に基づき、ふたつのお店に行くことに
地元の人の情報はガイドブックよりも確かなはず。
しかも、ツレが出張に行ったときにすでにお試し済み。
「ぜひ、これは妻にも食べさせたい!」
と、彼が思ったかどうかは不明だが新しいものを開拓する勇気がないことだけは確か。


まずは、「あつた蓬莱軒」でひつまぶし
観光客らしくお手軽にデパートの出店ですませることに。
「混んでるんじゃないの?」と言ったけど「客席のキャパはけっこうあるし、早めに行けば大丈夫じゃないかな?」ということで、家を8時半に出立して11時過ぎには名古屋入り、あつた蓬莱軒へ直行という計画に。
で、その後美術館をふたつまわり、あいまにガイドブックに出ていた喫茶店を偵察し、夜は「鳥銀」で名古屋コーチンを堪能する。
ふふふ、いつにない完璧な計画であった。
旅立ちの朝食の時点ですでに「ひつまぶしに備えて、あまり食べるな!」とまで言われたワタシ
途中、みたらし団子や五平餅の誘惑にも負けず、一路名古屋へ!


しかし!と言うべきか、やっぱり!と言うべきか
天候だけは計画に味方してくれず、高速に乗るも雪のためみなノロノロ運転
T山を出て岐阜の山間に入りだんだん雪深くなり、トンネルを54個もくぐって、予定よりも1時間オーバーとなってしまった。
名古屋へ着くと同じ日本国内とは思えないほど道はカラカラ、ハラぺこぺこ
おめあてのデパートへ行くも、北館本館南館とありイナカもんは右往左往
エレベーターに乗るも目的の階には簡単に行けないし…
とかなんとかモタモタやってると「ん〜、これはダメかも、食べれないかも」といういやぁな予感がむくむくと
だってねぇ、ミソつきまくりだもんね、名古屋なだけに
で、やっとあつた蓬莱軒のあるフロアへ到着することすでに12時40分
ぎょぎょぎょ、フロアにはぐるぐると100人近くの人が渦巻き状に列をなしている。ここが最後ですのプラカードまである。(確かあったはず。)
考えてみれば世の中連休だもんね。甘かった…
イナカもんは行列には慣れていないおまけに絶食(!?)でここまで来たのだ、もうガマンできない。
美術館も2箇所まわらなきゃいけないしぃ〜


つぅことでここはひとまず退散して、階を下ってお手ごろなお店へ入りお手ごろな昼食をすませる。むむむ、残念。
二人ともなんとなく悔しい気持ちはあったけど、それを口に出すとなおいっそう悔しさが増しそうなので「別にひつまぶしなんかどうでもいいけんねぇ〜」みたいなスマシタ顔して美術館へ移動。


美術館の目的は達成し、ホテルにチェックインし小休憩。
夜こそは、夜こそは、名古屋コーチンでイッパイやるのだ!


グルメ編は1回じゃすまなさそうね…
しかも、ここまで来て全然グルメな話になってないし、とほほ


ひつまぶしはこちら、あつた蓬莱軒
http://www.houraiken.com/cgi-bin/houraiken/sitemaker.cgi?mode=page&page=page2&category=0

現実逃避−アート編

現実逃避してツレアイと一泊二日の小旅行をした。


年初めにツレから、3連休とれるから車でどこか温泉でも…と提案があった。
名古屋まで行き、帰路どこかの温泉で泊まろうか、とか
やっぱ、名古屋は遠いから和倉あたりへ行こうかとか、
いやいや、やっぱ奥飛騨あたりをせめようかとか
とかとか、いろいろ紆余曲折するも


正月にたまたま教育テレビ新日曜美術館「はかなさに秘められた情念 ワイエスのアメリカ」を見ていたら愛知県美術館「アンドリュー・ワイエス 創造への道程」をやっているということで、是非ともそりゃこの機会に見んならんなんということに
しかも名古屋市美術館ではモネ「印象 日の出」展も開催中とのこと


最終的にツアー企画は、「名古屋美術館めぐりとひつまぶし、名古屋コーチン堪能の旅」に落ち着き温泉はあきらめて名古屋で1泊。


私としては、普段ほとんどカラスの行水だから久しぶりに温泉でゆっくり手足を伸ばしたいなぁ〜という思いもあったけど、となるとゴムののびきった下着を新調しなければいけない。それもメンドウ
ホテルなら下着はどうでもいいから、気楽でいいや〜と思ったり
しかし、これは同伴者に対して失礼か


話戻りますが、新日曜美術館ワイエスはよかった。
作品を完成させるまでに、何枚も習作を重ね、何を省略していき何に焦点を当てていくのか。その変化の過程が示されていた。そして完成された絵はまさしくパーフェクト。
あれだけ緻密なスケッチをしたうえで対象物を切り捨てていくその潔さ。
描くこと自体が自分の内に何かを蓄えていく作業なのだろう。
これはゲージツ一家のM本さんや、俳句を楽しんでいる実家の母なども観ればいいのに、きっと教育テレビだから再放送あるよね…
と思いきや、私が見た番組自体がアンコール放送で再々放送の予定は無し。
ありゃりゃ〜やっぱ、この番組はたくさんの人が見ていいと感じたものだったのか


しかし、しかし、やっぱしホンモノの絵はもっとよかった。
緻密な習作が何点も展示され、そして完成された絵は心に深く訴えかける何かがある。「昇華」ということはこういうことなのだ、と感じ入る。
まぁ、私が的外れなことをあれこれ言ってもしょうがないので、是非これは観に行かれることをお勧めしますね。
残念だったのは、何枚もの習作をたどっていったあげく、本作品の展示はなくパネルが飾られているだけのものがいくつかあったこと。
私がワイエスを知るきっかけになった「クリスティーナの世界」はなかった。
でも「あぁ、ないんだ…」と少しガッカリしても、最終的にはその他にもたくさんの絵の展示があったので見終わった時は少し疲労を感じるほどの充実だった。


この冬一番の寒波が来て、名古屋へ行く道中は雪深く、また名古屋の街中も刺すような寒風だったが、ワイエス展は行った甲斐があった。
モネはまぁ、予想通りというか、期待以上でも以下でもなく
ただ有名な画家だけあって人が多かったのが田舎者にはつらかった。


ツアー企画のグルメコーナー報告はまた次回。

2009年始動

とっくに始まってますが…


世の中の勤勉な大多数の人たちは5日が仕事始めだったと思いますが
弱小NPOの運営するパン屋は7日から営業開始。
ほとんど小学校みたいですね。
とはいえ、私は5日から出勤。
営業が始まる前に私の雑務のヤマを少しでも切り崩すべく悪あがきしてみたけど、そんなの1日やそこらでチョウつくわけもなく。
(チョウつく→T山弁か?)
でも、寒かった。
昨年末から丸々1週間パンを焼いていないパン屋の厨房は寒い!
一応エアコンはつけたけど、それでもなかなかおいつかない。
で、私のとった行動は


オーブンに点火した。
設定温度200℃で最大火力にしてみた。
う〜点火直後は庫内温度が13度。低っ!
じわじわと庫内温度が上昇していく。
業務用なので、中に入ろうと思えば入れそうな大きさだ。
扉をあけてかじかんだ手を差し込んでみた、
あったかぁい〜♪
後ろをむいて、オシリも差し出してみた。
ほっこりするぅ〜♪
しばらく和んでみたけど、電気代がもったいないので消した。


6日火曜日はM本さんも来て、二人で翌日の仕込みをした。
やっぱり寒かったのでまたまたオーブンに点火。
ふふふ
仕込み中、いくつかお客様からの電話もいただき
「いえ、営業は明日からです。すみません…」
と冷や汗…
なんちゅう長いこと休んでるんや!と怒られそうな気がしてね


とかバカなことをやってましたが、昨日水曜日はいよいよメイトさんたちも出勤。
去年の年初めは、日々の仕事の手順やルールを忘れてたりして、ちょっと愕然としたのを思い出し、「今年はどんなんだろぅ〜」と少し楽しみでもありました。
が、1年たてば成長していた〜!
去年いろんなことがリセットされてたIさんは、今年はそんなことはなくスムーズに仕事に入ることができた。よかったぁ〜
まぁ、他にちょっと休みボケっぽいメイトもいたけれど、それはお互い様ということで
へっへっへ


あまり長いこと休んでいたので、お客様こないんじゃないかという心配もあったけど、まぁ売上はそこそこ
食パンを待っていたお客様が多かった!
ウチの食パンはリピーターが多いのでね。
ここ2〜3日天気がよかったけど、週末にむけて下り坂らしい。
雪降るのかな…やだなぁ

うれしかった

パン屋の営業は26日の金曜日で年内最終
まるでお役所みたいだけど、営業を止めないことには掃除もできない。
でも、普通のお店だったら営業終わってから掃除するのか…
まぁ、勘弁してください。
で、翌日土曜日はメイト全員に出てきてもらって大掃除をした。
去年はM本さんも私も掃除をなめていた、というか、あまりにも当たり前に考えすぎていたというか、結果から言えば疲れた割りにはかどらなく、なんだか虚しい年末だった。
詳しくは、こちら


なので今年は過大な期待はやめて、まぁボチボチとできる範囲ですまそうや、ということに。
で、窓やら高いところやら、ふだんできないところを掃除して、あまり完璧は求めずに、時間経過と疲れ具合と折り合いをつけて、お昼ごろにはなんとかこれでよかろう、というところまでこぎつけた。
細かいことを言えば、いろいろやるべきことはあるんだけど、お互いの身の丈にあったところでヨシとしましょう。


で、私とM本さんとメイト3人はかねてからの予定どおり、ウチの第2事業所であるレストランへ昼食をとりに行った。
レストランと言っても「ふれあい福祉センター」なる公共の建物の中にある軽食喫茶だ。
建物は明るく、バリアフリーなのでレストランのスペースも広々として気持ちの良い空間だ。
だけどメニューはけっして垢抜けたものではない。
コーヒーも出せばうどんもある。平日の和食中心のランチは美味しくて、感じの良い女性がテキパキと接客してくれる…
まぁ、そういう感じのお店へ我々5人は初めて一緒に食事をとりに行ったのだった。だって普段はパン屋を空けるわけにはいかないし、この日だけは年末最後の慰労ということで特別。


そこの切り盛りをしているY川さんにあらかじめ「おまかせランチ」をお願いしておいたのだけど、あらまぁビックリ!
予約席のプレートが立てられたテーブルにはスプーンやフォークがきれいに並べられ、その真ん中には「お品がき」と書かれた1枚の紙が
ポタージュスープにはじまり、サラダにメインディッシュとして白身魚のフライ、パスタもついてコーヒー・ジュースで締めくくられてあり、一番最後には「1年間ありがとうございました」の言葉も添えられていて、私とM本さんは小さな歓声を上げた。
いつもこの店で出されている定食のように、四角いお盆にご飯と味噌汁、白い丸皿になにか主菜が盛り付けられ、小鉢もついてくる…そういう食事を予想していた私は、思いがけないもてなしに感激してしまった。


それから出てきた料理は大皿に野菜や果物がふんだんに飾り付けられ、みんなで取り分けて食べるのがもったいないくらいだった。
メイトさんたちはうれしそうにしていたけど、多分こういう食事をする機会はあまりなさそうで、少し緊張気味でもあった。
私とM本さんで取り分け方や食材の説明をしたりしてみんなで美味しくいただいた。普段あまりできないおしゃべりもしたりして、和やかに時間を過ごしたものの私の提示した料金ではこれは見合わないのではないか、という心配だけが少しあった。
最後のコーヒーも飲み終え、お礼を言いに厨房をのぞきに行った。


「とっても美味しかった。ありがとう。でもあれで採算あうの?」
「ふふふ、今日だけ特別」
Y川さんは晴れやかな笑顔を見せる。


「実はね、もう休みに入るし冷蔵庫に残ってるものを一掃したの」
「なぁんだ、そういうこと!?」
「そうそう、そういうこと、だから今日だけ特別」


とは言ってもあれは細やかな心遣いにあふれたステキな食事だった。
冷蔵庫の整理などと言い訳をつけても心がないとできないことだ。
この1年間いろいろとあってしんどい思いもたくさんしたけど、こういうことをしてくれるスタッフに支えてもらっているのだから、もう少しがんばらなくちゃね