うれしかった

パン屋の営業は26日の金曜日で年内最終
まるでお役所みたいだけど、営業を止めないことには掃除もできない。
でも、普通のお店だったら営業終わってから掃除するのか…
まぁ、勘弁してください。
で、翌日土曜日はメイト全員に出てきてもらって大掃除をした。
去年はM本さんも私も掃除をなめていた、というか、あまりにも当たり前に考えすぎていたというか、結果から言えば疲れた割りにはかどらなく、なんだか虚しい年末だった。
詳しくは、こちら


なので今年は過大な期待はやめて、まぁボチボチとできる範囲ですまそうや、ということに。
で、窓やら高いところやら、ふだんできないところを掃除して、あまり完璧は求めずに、時間経過と疲れ具合と折り合いをつけて、お昼ごろにはなんとかこれでよかろう、というところまでこぎつけた。
細かいことを言えば、いろいろやるべきことはあるんだけど、お互いの身の丈にあったところでヨシとしましょう。


で、私とM本さんとメイト3人はかねてからの予定どおり、ウチの第2事業所であるレストランへ昼食をとりに行った。
レストランと言っても「ふれあい福祉センター」なる公共の建物の中にある軽食喫茶だ。
建物は明るく、バリアフリーなのでレストランのスペースも広々として気持ちの良い空間だ。
だけどメニューはけっして垢抜けたものではない。
コーヒーも出せばうどんもある。平日の和食中心のランチは美味しくて、感じの良い女性がテキパキと接客してくれる…
まぁ、そういう感じのお店へ我々5人は初めて一緒に食事をとりに行ったのだった。だって普段はパン屋を空けるわけにはいかないし、この日だけは年末最後の慰労ということで特別。


そこの切り盛りをしているY川さんにあらかじめ「おまかせランチ」をお願いしておいたのだけど、あらまぁビックリ!
予約席のプレートが立てられたテーブルにはスプーンやフォークがきれいに並べられ、その真ん中には「お品がき」と書かれた1枚の紙が
ポタージュスープにはじまり、サラダにメインディッシュとして白身魚のフライ、パスタもついてコーヒー・ジュースで締めくくられてあり、一番最後には「1年間ありがとうございました」の言葉も添えられていて、私とM本さんは小さな歓声を上げた。
いつもこの店で出されている定食のように、四角いお盆にご飯と味噌汁、白い丸皿になにか主菜が盛り付けられ、小鉢もついてくる…そういう食事を予想していた私は、思いがけないもてなしに感激してしまった。


それから出てきた料理は大皿に野菜や果物がふんだんに飾り付けられ、みんなで取り分けて食べるのがもったいないくらいだった。
メイトさんたちはうれしそうにしていたけど、多分こういう食事をする機会はあまりなさそうで、少し緊張気味でもあった。
私とM本さんで取り分け方や食材の説明をしたりしてみんなで美味しくいただいた。普段あまりできないおしゃべりもしたりして、和やかに時間を過ごしたものの私の提示した料金ではこれは見合わないのではないか、という心配だけが少しあった。
最後のコーヒーも飲み終え、お礼を言いに厨房をのぞきに行った。


「とっても美味しかった。ありがとう。でもあれで採算あうの?」
「ふふふ、今日だけ特別」
Y川さんは晴れやかな笑顔を見せる。


「実はね、もう休みに入るし冷蔵庫に残ってるものを一掃したの」
「なぁんだ、そういうこと!?」
「そうそう、そういうこと、だから今日だけ特別」


とは言ってもあれは細やかな心遣いにあふれたステキな食事だった。
冷蔵庫の整理などと言い訳をつけても心がないとできないことだ。
この1年間いろいろとあってしんどい思いもたくさんしたけど、こういうことをしてくれるスタッフに支えてもらっているのだから、もう少しがんばらなくちゃね