『追跡 空白の占領期』を見た

KNBで以前放送された『空白の占領期 〜日系二世たちが語る占領下の富山〜』の焼き直し。

『空白の占領期』は反響が大きかったようだが、見損ねたので8月15日に放送された『追跡…』はビデをに録ってしっかりと見た。
冒頭で当時の日米間の通訳の証言があり、「T岡の有名な料亭で米軍の先遣隊がひどい乱暴なことをした…」とのこと。英語と日本語まじりの語りで(もちろん字幕つき)どうやら婦女子に暴行したらしい。
敗戦国に占領軍がやってきたのだから、それぐらいのことはあったのかも…と漠然と思う一方、その場にいた人が具体的な地名や米軍兵の言葉などを語るのを聞くのは衝撃的なことだ。先遣隊を受け入れた県の役人が接待した場でそれは起こったことらしい。こんな田舎でも、そういうことがあったのか…


私は戦争体験者ではないのだが、生きるか死ぬかの戦場をかいくぐった兵士が占領地において略奪や暴行をするのは、異常時の異常な精神状態でそうなってしまうのかなぁ…と、なんとなく思ってしまう。もちろんそれはあってはいけないことで、許される行為ではない。でもね、なんとなく…こんなふうにいうと「原爆はしょうがなかった」発言とおんなじか


しかし先遣隊というのは全然違う。すでに日本は戦場ではないわけで、ゆうゆうと乗込んでいったのではなかろうか。そして多分軍隊の中でもある程度階級が上の兵士なのではないか?海兵隊のチンピラじゃあるまいし(これって問題発言?)、いくら占領軍といえどももっと紳士的態度であってしかるべし。それとも占領軍というのは、儀式的に必ずそういうことをするものなのか?占領地に星条旗をたてるのと同じような行為なのか?この証言は「その場にいた県の役人も誰も怖くて止めようがないんですよ。」と続いていて、地元の者はみな黙認だったというのがまた哀しい…。


番組の中ではこの部分はほんのわずかだったけど、私の心には大きく残った。もちろん、その他にもいろいろと取り上げられていることはあったけど…


この番組に関してはブックレポートも出ています。まだ、残っているのかな?
http://www2.knb.ne.jp/knbreport/vol2.htm