開店セールは予想外の繁盛ぶり


お店の外は長蛇の列


工房にいると外の様子は全くわからない。工房と売場はガラス窓(150cmぐらいまでは目隠し)で仕切られているので売場の様子はうかがうことができるけど、売場へ出るドアはお客さんの波ですぐ塞がれてしまった。開店3分後にして工房内に我々スタッフは閉じ込められてしまった。先着100名様に「檜のバターナイフ」プレゼント(養護学校木工班作成)などと謳っていたけど、100人もお客さん来るのぉ?という楽観的(悲観的?)な予想は大外れ。あっというまにバターナイフ完了。外ではこんな長蛇の列だったとは…


パンはI氏の指揮によりどんどん焼きあがっていくものの、仕上げのトッピングや砂糖化粧などは私の指示により当日参加のNPO会員が行っている。これがまたみなさんおっとりとしていて、すごく仕事が丁寧、てか遅いっつぅの!お尻を叩いて叩いてどんどん店頭に運び出す。徐々にみんなも仕事の内容を把握しピッチもあがった。「キャラメルデニッシュ、焼きあがりましたぁ!」と、飛び交う声も大きく元気になっていった。


しかし店内はぎゅうぎゅうづめでお客さん身動きもできない。開店直後I氏が「入場制限しないと危ないよ」と言ってくれたけど、あ〜た、そういうことはもっと早くにおっしゃいなさい。もはや手遅れ。パンを載せるセルフトレイも切れてしまった。お客さんから苦情の声がでるけれど、トレイがあっても先のお客さんが出ていかないことにはパンを選ぶ余地がないじゃないの…
もともと、こんなに大量のお客さんを受け入れる前提でレイアウトを考えているわけではないのでレジも大変。1台しかないので、ボトルネックになっている。メイド服のY口母娘、笑顔で応対するもだんだんイラついてきているのが後姿から伝わってくる。
しまいにゃ、幼児がぐずって泣き出す声も聞こえ…


I氏の方は、これまでこういう修羅場をいくつも潜り抜けてきたからかいたって冷静。仕込んであった生地が底をつくと、材料の在庫を確認して新たな生産計画を練っている。この在庫の確認というのも曲者で、自分は動かず「アレあるの?コレあるの?いくつあるの?じゃ、アレは?」みたいなことを矢継ぎ早に投げかけてくる。しかも、アレは冷凍庫で、コレは冷蔵庫だったりするので、そのたびに工房内を右往左往。I氏は私の返事を頭の中で組み立ててすぐさま「○○を×個、天板に並べて!あと△△は×個、それはビニールをかけて、それから、これは40gづつにして…」メモってる暇もないし、聞き返す隙もない。えぇぇぇい!ここで引き下がるわけにはいかんじゃないか!(って、戦いなのか?)


私以外の2名のパン製造スタッフは従順にI氏の指示に従っている。でも、これまでに経験したことのないペースと数量なので、いっぱいいっぱいになっている。I氏の早口の指示が飲み込めず、時々とんちんかんなことをしてはI氏をいらだたせたりしている。で、また罵声のような指示が飛ぶ。かわいそ〜 (T_T)


売場を見ては冷や汗、工房内を見ては冷や汗の店長なのであった。