障がい者の面接試験をした

新年早々の6日土曜日、3月開業予定のパン屋さんで雇用する知的障がい者の面接試験を行った。
年末にハローワークに採用枠3人で求人情報を提出しておいたところ9人の人が来てくれた。(男性6人女性3人、19歳〜56歳で平均年齢は33歳)ほとんどの人が現在福祉作業所を利用中。グループホームにいる人も。一人で来場した人もいれば、親御さんや作業所の職員さんなどに付き添われて来た人も…
朝9時半から受付を開始し、10時に全員集まった部屋で理事長挨拶のあと合同説明、及び質疑などありその後12時まで別室で面接。面接官はNPOの理事3名。これだけのことをたった2時間でできるのか!?しかし理事3名は他に本業もあり、いろいろ日程調整した結果6日の午前中しかとれなかったのだ。それにそんなに長い時間面接をするのは受験者にとっても大変なことなので、一人5分程度。


私は受付をしたり、控え室でお茶を出したり緊張している受験者と世間話をしたり…と書くと気楽な感じだけど、これがけっこう大変だった。まず9人だけど付き添いの人などもいるから人数が多い。でもって、みなさんかなり緊張していてそれがビンビン伝わってくる。また面接時間が短いので出入りが煩雑。前後にお愛想をしてあげたりして、くるくると忙しい。理事からは控え室での様子もよく見ておくように!と言われていたし、さりげなく様子を観察。待ってる時間は長かっただろうなぁ〜みなさん、静かに座ってだまってぢぃっと待っている。さすがに面接を終えたら緊張がほぐれたか準備しておいたコーヒーを飲んだりチョコを食べたり、話をしたり。


いつも理事②が「障がい者だからといってかまえてかかることはない。普通の人といっしょ!」と言っているのを思い出した。実際、きのう集まった人たちは普通の人とかわりない。ただ、どことなく自信がなさげ。それから自分で判断することが少し苦手な感じ。たとえばコーヒーを飲み終えて空になった紙コップの処置に戸惑ったり。自信がなく消極的な若者ならたくさん知っている。そういう人たちはいろんな経験を積んで自信をつけていくものだ。判断力に欠けているのなら、わからないことは教えてあげればいい。実際、「紙コップはそこに捨ててください」といえばなんら問題はないのだし。そのうち自分でわかることも増えていくだろう。「できないだろう」「わからないだろう」と決めてかかり何もさせないでいることが問題なんだ。…まるで、ウチの子育てと同じではないか!ウチの子どもらは何でもさっさとやてしまう母親のおかげで未だに卵焼きひとつしようとはしない。


しかし、そうは言ってもいろんなことに個人差はある。自分の名前が書けない人もいれば、上手にミシンをあやつる人もいる。年齢とともにたくさんの経験を積んだ50代の人は、話し方やたたずまいに温かみがあった。養護学校高等部を卒業して数年の19歳の青年はフレッシュな感じがする。積極的に自分のやりたいことを語る人もいる。この9人の中から何を判断材料にして3人に絞るのか…落とすことになる6人に、すぐまた次のチャンスがめぐってくればいいけれど、それが難しいことはわかっている。しかし今日中には採否を決めなければいけない。受験者には2日後に連絡すると伝えてある。