[雑感]小さな幸せ

今朝も早出してパイを焼いた!
これには理由がある。


売上げ目標のパンを時間内に焼くためには、午前中にオーブンを休ませることなくフルに稼動させなければいけない。
逆に言えば、フルに稼動させれば製造予定数はクリアできるということである。
これを健常スタッフだけで作業するのであればチームワークよろしくテキパキ進めれば達成できることである。
しかし、ウチのパン屋は障がい者雇用が前提である。
パンを焼く前の下処理や、焼きあがったパンの仕上げ、出荷準備などはメイトの仕事である。この作業が少しでも停滞するとオーブンをフル稼動させることは難しいことになる。なので、健常スタッフはメイトをせっつきせっつき、時には叱りながら時計とにらめっこして仕事をすることになる。スタッフはメイトをせかしながらも、自分自身の仕事もある。手は自分の作業のために使い、声はメイトを動かし、頭の中では自分の仕事と複数のメイトのだんどりを描きつつ…しかも時間に追われ、という見た目以上にハードな作業環境なのである。


最近は徐々に売上げが伸びているのと、メイトの手際がよくなってきた(ちょっぴり)のがあいまって、スタッフのメイトに対する期待も大きい。ついつい急かし具合も過剰になりつつある。これではメイトにとってストレスなのではないか…と、思っていたら案の定。ご家族からストレスを感じているらしい家での様子、会話などを聞かされた。


う〜む、やっぱりなぁ。メイトもストレスだけど、スタッフにとってもストレスだ。
なので、午前中の作業に少しゆとりをもたせるべく、パイだけでも早朝焼くことにした。と、言っても私も毎日それができるわけではないので、今のところ週2回。朝早くでかけて1時間ほど作業し、いったん家に戻って朝食。そのあとしばらく家のことをしたり、PC作業をしたりしてお店に戻る。


一仕事終えて家へ戻る時、立山連峰が目に入る。
今朝は空気の澄んだ寒い朝だった。山の稜線は朝焼けの赤い空気に縁取られている。こんな些細なことに少し幸せを見出す。
毎日の仕事はハードだけれど、淡々とこなすしかない。
日々の生活に困らない程度の収入があり、毎日小さな幸せを見つけられればいい。…と、思う。たぶん、一般的小市民のほとんどが、毎日をそのように過ごしているのだろうから