私もいつかこういう老人になるのか…

昨日、パン屋に押し車を押した老女がご来店。押し車は店の外に置き、少し前かがみになってパンをじろじろと物色していた。私がその背中に「いらっしゃいませ…」と声をかけるのと同時に、老女はぎゅぅぅぅぅと、パンを、焼きたてのパンを、ポテトと明太子ソースを乗せて焼いてあるパンを、人差し指で押していた!!!


「うっ…」


あまりのことに、言葉を失う私。
私の気配を感じて老女は
「このパン、やこいけ?」と悪びれることなく聞いてくる。
「や、やわらかいですよ。焼き立てですから!」と、少しあえぎながら返事をする。どことなく非難めいた感じがただよったのか
「やこいもんしか食べられんし…やこいかどうか、触ってみんなんわからんなかいね…」
と、隣のパン棚に移動してまたパンをさわろうとしているので、いそいでトレイとトングを持ってきて、「やわらかいのでしたら、こちらとかいかがですか!」と語気を強めて牽制してみた。


態度とか雰囲気とかで「さわらせないぞ」というバリヤーを作る私と、その隙から鋭く人差し指を突っ込んでパンをぎゅーっと押しつぶそうとする老女とのサバイバルゲームのような、妙な雰囲気が作り出された。
ルールは「さわらないでください」と、私が言ったら負け。そんな感じ


しつこく老女の動く半歩先を先行し、ディフェンスしまくってたおかげで2度とパンには触らせることことなくゲームは終了。「じゃぁ、これとこれ…」と老女が指指すパンをトレイに乗せてさっさとレジをすませてお引取りいただいた。私の勝ちか?


なんだかなぁ〜お客様だとは思いつつも、こういう理不尽なことをされるとなぁ…


そして今日のこと。近所の金融機関の1台しかないATMを占領してたくさんの入出金、振込みを繰り返していた私。次の利用者がソファに座って待ちくたびれている。「ごめんね。あと1件でおわるから…」と心の中でつぶやいていると、二人目の利用者が入ってきた。
さぁ、終わったぞ!素早く、カードと通帳を仕舞い立ち去ろうとしたら、二人目だったはずの老人が、先の中年男性がソファから立ち上がる前にサササとATMに近寄ってくる。
ここのATMの前には待ち行列を作るという慣例はなく、ソファに座って待っているというのが利用者間の暗黙の了解であるので、誰がどう考えても中年男性の方に優先権があるのだ。


私は「れれれ…?」と思ったけど声もなく、なにげなく先の男性の顔を見ると呆気にとられて老人に何か言ってやりたいのだけど言葉がみつからず口をパクパクさせている。いや、言葉はあるのだけど声を出す勇気がない、そんな感じか?「次はおれだろ!おれだろ!」みたいな手振りまで中途半端に繰り出しているし…
それ以上、その場にいるのはいたたまれなかったので振り返らずにキッパリと立ち去ってきたのだが
しかし、あの男性の顔はラーメン好きの小池さんに似ていたな


どうして人は年取ると、自分の都合が一番大事で、周りのものが見えなくなってくるんでしょうかね。悪意はなさそうなんだけど、でもやっぱり迷惑だよね。少なくともパン押しばぁさんの方はマナー違反だ。私もいずれはそうなるのか?
ん?すでにそうなりつつあるってか?う〜む
だんだん老人の占める割合が増えていくと、あちこちでこういう風景が見られるようになってくるのかも。