母校のゼミ講師を引き受けた−その1−

高校の未履修問題の発端となった我が母校
http://www.takanan-h.tym.ed.jp/
「キャリアデザイン・プロジェクトS」(将来への大きな志を持って意欲的に学び活動する生徒の育成)の中の1学年対象の「キャリアデザインゼミナール」の講師を引き受けてしまった。
講師17名は地元大学・企業の方や同窓会、保護者など
私は同窓会枠からの協力であります。(同窓会、人材枯渇か?)
ゼミは75分×6回もあり、断わるのがめんどうでつい引き受けてしまったが…う〜む、どうする。素人講師にしては、けっこうボリュームあるよね。
しかも決まったのが遅かったので、事前の打ち合わせも終わっていて何がなんだかよくわからない。とりあえず、高校のHPで事後確認。そうか、1年生は「職業人としての在り方と生き方」を「大学人や専門職業人に学ぶ」のか(と、ヒトゴトのよう)
生徒諸君が講師を選択するためにプロフィールやゼミのテーマ、計画を送ってくれといわれ時間に追われ無理矢理作って送ってしまった。まぁ、プロフィールは真実だけどテーマ、計画はでっちあげだよなぁ〜
肩書きはNPO法人の事務局長ということになっている。で、プロフィールには前職のシステムエンジニアのことも触れてある。こっちの方が歴史があるからね。NPOは設立1年目だもん。
テーマは「自分に求められていること、そして自分のできること」。たぶん、学校に送付を迫られて切羽詰ってしぼりだしたんだろうね、スゴイなぁ…


こんな私を選んでくれる生徒がいるのか?少々不安ながらに第1回目のゼミは実施された。6回もあるうちの初回だからね、とりあえずどういう生徒さんたちなのか探ってみたい。「14歳の挑戦」を受け入れた時に、イマドキの子どもたちと意志疎通するのはかなり難しいということを悟っていたので「世古方式」を使ってみることに。「NPO研修・情報センター」代表理事の世古一穂さんでありますが、彼女の講演を2回経験して2回とも同じことをしていたのが印象深く。知ってる人は知っていると思うけど、まず講演会では聴衆全てにあらかじめ1から4までの色別のカードが配られる。で、講演の冒頭から「○○を知っている、ちゃんと説明できる人は1、聞いたことはある程度の人は2、知らない人は3」などと全員が強制的にカードをあげさせられる。世古さんの場合は、かなり威圧的な雰囲気で無知な自分をさらすのも嫌だし、知ったかぶりをするのも嫌だし、という緊迫した雰囲気がかもしだされる。そのときの会場のいやぁ〜な雰囲気をさんざん体験したわけだけど、相手のことを知るにはなかなかいい方法だと思い拝借させてもらった。もちろん、高校生相手に威圧的な態度を取るつもりはない。


さて音楽室が私のゼミの会場だった。(なにせ17もあるからいろんな部屋を使う)驚いたのは受講生10人全員女生徒だった。ちょっとがっかり…とりあえず、全員に好きな学科と所属する部活を織り込んで自己紹介をしてもらった。国語や音楽が好きとか、吹奏楽茶道部といった、文科系の子が多かった。これもちょっと以外。というのはコンピューター関係の職業に興味ある子が混ざってるのを予測というか期待していたので
で、さっそくカードを使ってみる。
「私のゼミを第1希望にした人は1、第2希望にした人は2、それ以外の人は3をあげてください」とにこやかに。おぉぉ〜全員1だよ。なかなか感動的だった。「ありがと!では選んだ理由として、SEの話に興味があった人は1、NPOは2、働く女性は3」というとここでも私の期待を裏切り圧倒的に2が多く、3がチラホラ。が〜ん、そうだったのか…
実は私の予定では6回のうちはじめの2回ほどをSEとして働いてきたことをネタにあれこれ話を進めるツモリだったので予定が一瞬にして崩壊。そんな話は聞きたくなかったのね、生徒諸君は
しかし、このカードは使いよくてわかりよい。


生徒の期待は期待として、あらかじめ話そうと思っていたことをしゃべることに。まず、父親が労働災害により下半身不随だったこと。自分は幼かったのでその生活はあたりまえとして育ったけれど、実際以上に「我が家は貧乏なんだ」と思い込んでいたこと。母親に「女も手に職がないといけない」といわれ続けていたこと、特にこれは高校生の頃に。なんだかんだで地元の学校に進み当事は珍しかった女性プログラマーになり就職したこと。その後の職場で得たことなど。話だけでは退屈だから時折カードを織り交ぜてみたり


就職以降の話としては、あまり専門的な話は避けて(興味なさげだったので)一般的職業人として共通するであろうことの話しをした。
特に私が言いたかったことは
仕事というのは (1)仕様 (2)納期 (3)予算 があってその三つを守って成し得ないと意味がない、ということ。
自分のしたいことを自分のしたいようにするのが仕事ではなく、要求されたことを実現するのが仕事である。
そして、それにより適正な報酬を得ることが大事。「適正」ということは多すぎても、少なすぎてもいけない。
と、いうようなことを高校生がわかりやすいように事例をあげたり、運動会や学校祭でみんなが取り組むことをたとえにしたりして、話してみた。
コソクにテーマの「自分に求められていること」につなげてみたんだけど、わかったかなぁ…


無駄に大声を出してしゃべり続けていたら、60分ぐらいでもうクタクタ。いかんなぁこんなことぢゃ
しょうがないので最後に世古カードで質問。
「さて、今日の話はどうだったでしょうか?つまらなかった人は1、よくわからんけど眠くはならなかった人は2、得ることがひとつでもあった人は3」
みんな一瞬どうしようかなぁ、という感じだったけど
「みなさんの回答で次回の内容が決まります」
というと、全員3をあげてくれた。
これは素直な感想なのかはなはだ疑わしいけど
「ぢゃ、来週もキャラは変えずにこのままで」というと、ニッコリ笑ってうなづいてくれたコが何人かいたので心強い。
さて、次回はどうしよう…