魔物の棲むソファ

我が家のリビングに3人がけのソファがある。
息子は階下にいるほとんどの時間をそこで過ごし
ただただ惰眠をむさぼっている。
そして不思議なことに、他の家族がひとたびそこに腰をおろすと
モウレツな眠気に襲われ意識を失い、深い深い眠りに落ちていくことになる。


そして昨日、私もうっかりとこの魔物に囚われてしまった。
食事を終え、その直後に気になるテレビ番組があったものだからソファに腰をおろしてしまった。
ものの10分としないうちに深い眠りに落ち込み、何度も何度もその眠りからはいあがろうとしたけど、無駄。
テレビの音や家族の声がどこか遠くから聞こえてくる。
起きなければ、起きなければ、と気は焦るけれど、身体は硬直したまま意識は混濁。


「はい!そんなとこで寝とらんとっ!2階行って寝られ!」
と、ツレアイにおこされたのはもう11時を過ぎていた。
う〜ん、頭がぼんやりとする。
もっさりと起き上がるのを見届けて、ツレはさっさと歯を磨き寝室へと立ち去る。


私も、寝ようかな〜


ふらふらと立ち上がって愕然!
なんと!まだ夕食の食器が片付けられていないではないか!
よくもまぁこんな状態で「早く寝られ」とのたまわれた


そうだ、思い出した。
「起きなければ」と焦っていたのは、これがあったからだ。
他の家族はもうみな2階のそれぞれの個室。
私はまだ半分ぼんやりとした頭で、食器を洗い翌朝のために米を研ぎ
そしてやっと寝室へ
そこではツレがもう温かいベッドの中で熟睡していた。




むかぁ〜