中学校人権作文

娘の通っている中学校では毎年継続して人権教育に取り組んでいる。(らしい…)
秋には人権週間があり「人権弁論大会」や「人権の日」が設けられている。昨年などはハンセン氏病関連の学習をしたっぽいが、なかなか保護者までにはその様子は伝わってこない。前後に合唱コンクール(けっこう盛大)や学校祭、各部活動の競技会などもあるため生徒・家族の関心も分散傾向なのだろうか…

ボチボチその準備として全校生徒が人権に関する作文を書かせられている。作文はクラス代表、学年代表としぼられていき、「人権弁論大会」として保護者・地域に公開される。関心が分散傾向とはいえ、さすがに学年代表による発表は心に響く内容が多い。障がいを持って生まれてきた兄弟と自分や母親の関わり、認知症になった祖父母のこと、幼い時に来日した自分の体験…などなど
実際に日常生活で見聞きしたこと、そこから感じることの発表は具体的で説得力がある。一方なかなか題材を見つけられない子どもたちは「誰か家族が死んだり、病気したりしないと書けない…」などと不謹慎なことを言ったりしている。そんな中で昨年は、部活動の中での人間関係や悩みを深く見つめて自分なりの解決を見出している生徒の発表があった。中学生なら、誰もが持っていそうな悩み、もしかしたら人によっては悩むことすらしないかもしれない。それを人権作文という機会をとらえ、彼女の中では重大なことであろう問題に取り組んだ。発表の中では、彼女が心の葛藤を経てそれをふっきるまでが、平易でまっすぐな言葉で語られていた。それは1人の少女の成長のあとがはっきりとわかる内容であった。人間の生死に関わるような題材の発表に比べると、軽い内容であったかもしれない(重い軽いという区別もヘンだけど)が、聞き終えて私の心に清々しい気分が残る佳作であった。


今年もいろんな子どもたちがそれぞれにいろんなことを考えて作文に取り組む。 できれば「人権」という2文字を特別なこととして念頭におくのではなく、人としてあたりまえのことを、あたりまえに考えて行動できる大人になってほしい…


全国中学生人権作文コンテスト
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken07.html